自分で取り出した真珠でアクセサリーを作るから本物の感動を味わえる

真珠は自然にできるものではありません。

アコヤ貝に玉入れをするのです。

山下パールの山下さんに,実際に玉入れをするところを見せてもらいました。

「ここの卵巣のところに入れるのです。」

山下さんは,小さな白っぽい玉を,台に固定したアコヤ貝に器用に入れていきます。


「質問はありませんか。」

「その赤いのは何ですか?」

「よくきいてくれました。これはね……。」

細胞なのだそうです。

アコヤ貝の殻の内側のきらきらした部分の細胞なのだと説明してくださいました。

これがないと,入れた玉がそのままにになったり吐き出されたりするのだそうです。


さて,いざ真珠の取り出しです。

目の前にあるアコヤ貝を山下さんが開き,その身の部分を指で探って真珠を出すのです。

「さっき入れたところを覚えていれば,だいたいどのへんにあるか分かるよね。」

「あった!!」

「私もありました!!!」

「私は……,まだでてきません。」

「どれ,貸してごらん。」

山下さんが指で探ります。

「あるよ。探してごらん。」

もぞもぞもぞ……。

「あった! 出てきた!!」

山下さんの言うとおり,きれいな真珠が出てきました。


出てきた真珠をよく水で洗って,次は磨きの作業に入ります。

ピンク色の研磨剤をちょっとつけて,ウィーンと器具で磨くのです。

しっかり持ってないと,真珠がぴょんとどこかへ飛んでいきます。


「できました。」

「ううん,まだだな。」

山下さんの言葉にちょっと表情が曇る子どもたち。

「まだってことは,磨けばもっときれいになるってことだよ!」

その言葉を聞いて子どもたちは安心し,さらに磨いていきました。


磨いた後は,穴をあける作業です。

真珠の中に小さな小さな穴をあけるのです。

特殊な機械を使って,丁寧に丁寧にあけていきました。

「なんか,真珠が熱い。」

「ほんとだ。」

ドリルを使ってあけるので,真珠が熱をもつのです。


女の子は他の小さなビーズのようなものや石と組み合わせてブレスレットを作りました。

男の子は,特殊な木の組み合わせてペンダントを作りました。


午後の班の女の子たちは,8月10日に県知事さんにプレゼントするピンバッチも作りました。


一緒にいた保護者の方からは,「母さんにも貸してもらいたいわ。」と心の声が聞こえてきました。


全ての作業が終わったところで,検定試験です。

全部で10問。


例えば次のような問題。


■手術をしたアコヤ貝はそのあとどうするのでしょうか。

A 静かな海で休ませる。

B 荒波の中で刺激を与える。


■真珠の価値を決める6つの要素のうち,4つを答えなさい。


さて,答えられるでしょうか。

ちょっと難しい問題もありましたが,子どもたちは全員パーフェクトで合格しました。