最終講座「たい飯作り」

うわじま子ども観光大使の最終講座は,宇和島の郷土料理の鯛飯作り。


いけすから鯛を水揚げするところから始まりました。


海中を悠々と泳いでいる鯛を網ですくいます。

太陽の光を受けて,キラリ青く光る鯛の目。

頭の側からそっと網をかぶせてすくい上げました。


次は鯛をしめます。

目のすぐそばの急所に,尖った器具をズバッと入れます。

ぐりぐりっとやると,バタバタっとしたあと,動かなくなります。



次は血抜き。

えらのところに刃物を入れ,鯛の体に血が回らないように抜きます。

鯛の体を持ち上げてグイッと曲げると,ぼたぼたっと血が滴り落ちます。

いつもはにぎやかな子どもたちも,このときばかりは静かに見守っていました。


まな板の上にのせられた鯛のうろこをはがします。

頭をしっかりと押さえ,逆の手でうろこはがし器をもってバリバリとやるのです。

あちこちにうろこが飛び散ります。

さっきしめたはずの鯛が,ときおりビクビクっと動くたび,うわっ!と驚く子どもたち。

体の下やひれの近くなど,あっちもこっちもきれいにはがすのには時間がかかりました。


次ははらわたを出します。

はさみを鯛の腹にあてて中から取り出します。

このさぎょうにはいったら,木が付いたらウミネコが近くにやってきていました。

山下さんの話では,はらわたをもらうのを待っているとのこと。

「心臓はどこですか?」

「これやねえ。」

山下さんが見せてくれたのは,ちょっと黒っぽくなった小さな臓物でした。

これが鯛を元気に泳がしていたわけです。


鯛のお中から出てきたはらわたは,ちょっと緑っぽいもの,白っぽいものと

いろいろありました。

これを幾つかに切って海に投げると,サーッと白い鳥がやってきてさらって行きます。

先ほどのウミネコでした。

何度目かにはトンビもやっていて,はらわたをもって行きました。

お皿にのせた鯛をもって,家の中へと移動します。

ここから本日メイン講師の山下君枝さんの出番です。


君枝さんは,漁家民宿「遊海」の女将さんです。

私,何度も君枝さんの作った鯛飯を食べましたが,

その味のうまいことうまいこと!

これまで食べたどこの鯛飯よりもおいしいと感じます。

私のイチオシです!


まず,子どもたちは君枝さんの指導で鯛を3枚におろします。

背中とおなかの側から包丁を入れ,そのまま中央の太い骨の

近くまで切っていきます。

これ,書くのは簡単ですが,初めてやってみるとなかなか難しいです。


3枚におろした後は,皮をはがします。

皮の付いた切り身を,皮を下にしてまな板の上に置き,

皮を引っ張るようにして身と皮を分けていくのです。

包丁の角度,皮の引っ張り具合など,いくつもポイントがありました。

私がやったときは,途中で皮がちぎれたり身がぼこっと取れたりしたのですが,

子どもたちは結構上手で驚きました。


皮と別々にした切り身を,刺身にしていきます。

ここで鯛飯をおいしくするポイントになる刺身の厚さ。

刺身が薄い方がたれとよくからんでおいしく感じるのだそうです。

慎重に慎重に包丁を使って,丁寧に刺身に切り分けていきました。


子どもたちはそれぞれ自分のお椀に卵を入れます。

卵を割って黄身だけを取り出す技を教えてもらい実践します。

ここで君枝さんの秘伝のたれの登場。

お椀にお玉いっぱいのたれを入れ,そこに先ほどの刺身,わかめ,ごまを入れて行くのです。

これでひとまず鯛飯のもとができました。


ここからまだ君枝さんの指導は続きます。


手分けしてふくめん,鯛そうめん,さつま,まる寿司を作っていくのです。


先ほどさばいた鯛の頭や胴体の残りをから身をとってさつまの具に。

骨から出汁をとってさらにそこに入れます。


鯛の身はふくめんのそぼろにもなります。

鯛ははらわた以外は隅から隅まで料理に使われていきます。

命をいただくということの大切さはこうしたところにも表れているんだと思います。


こうして宇和島の郷土料理が,子どもたちの目の前に勢ぞろいしました。

君枝さんがここで幾つか話をしてくださいました。

命をいただくこと,

こうして食事ができることの幸せさ,

日本という国,宇和島のよさなど,

短い時間に大切なことを教えていただいたのです。


このときのお米は,春にうわじま子ども観光大使の子どもたちが田植えし,

稲刈りをした「あきたこまち」が使われました。

稲木にかけて干した香りのよい稲木米です。


そして,なんと田植え,稲刈りでお世話になった佐々木嶺さんがお土産を持って来てくださいました。

一人1㎏ずつパッケージされたあきたこまちをうわじま子ども観光大使の人数分持って

来て下さったのです。

子どもたちは一人一人佐々木さんから手渡ししてもらったお米を大事そうに抱えていました。


さて,鯛飯,さつま,鯛そうめん,ふくめん,まる寿司のお味はというと……。

もくもくと食べる子どもたち!

やっぱりおいしいんですね。

昼の部は,ご飯が足りなくなりました。

二つ目の釜の飯が炊きあがるのが間にあわないほどでした。

鯛そうめんも売り切れました。

まる寿司は,ちょっと大人の味ですが,それでも二つ三つとほおばる子どもたちがいました。


食事の後は,後片付けもがんばりました。

食器をちゃんと種類分けして運ぶ子,台ふきでテーブルをふく子,

掃除機をかける子。

どんどん手分けして動きます。

うわじま子ども観光大使の子どもたちは,実によく働く子たちです。


片付けをした後は,いよいよ検定試験。

最終講座とあって,出される問題は少々難しめです。

例えば,「鯛をしめるとき,傷つけてはいけないのは鯛のどちら側?(AかBか)」

など,話をよく聞いていなければできない問題が出されました。


それでももちろん,全員合格!!!

うわじま子ども観光大使の子どもたちの活動は,今日も楽しさいっぱいでした。